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「屋根材にはどんな種類があるのだろう?」
「みんなはどんな屋根材を使っているのだろう」
屋根材にはいくつかの種類があるため、どれを選べばよいか迷ってしまう方も多いでしょう。
この記事では、屋根材の種類ついてそれぞれの特徴をまとめています。
今回は以下のような点について、詳しく解説します。
・代表的な3種類の屋根材について
・屋根材の種類別のメリットとデメリット
・屋根の形状ごとの屋根材のシェア率
・地域別の屋根材のシェア率
この記事を読めば、屋根材についての知識を得ることができます。
自身の住宅に合う屋根材の種類を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
屋根材の種類は細かく分けるとたくさんありますが、国内のシェア率は3つの屋根材で占められています。
基本的にはこの3種類を網羅しておけば、ほとんどの住宅に合う屋根材が見つかるでしょう。
代表的な3つの屋根材は以下です。
・粘土瓦(ねんどがわら)
・スレート
・ガルバリウム鋼板(こうはん)
それぞれを詳しくみていきましょう。
「粘土瓦」は粘土を練って成形する屋根材で、日本瓦や和瓦とも呼ばれます。
日本の伝統的な屋根材であり「昔の日本家屋のほとんどは瓦屋根」と言っても過言ではありません。
また、和瓦に対して、洋瓦と呼ばれるものもあり洋風の家屋で用いられることもあります。
普段、屋根材について考えたことがない人でも、瓦の形状や素材については容易にイメージしやすいでしょう。
粘土瓦のなかにも、実はいくつかの種類があります。
代表的なものには「いぶし瓦」「素焼き瓦」「陶器瓦」などがあり、色やツヤの出方に違いがあります。
「スレート」とは、英語の「slate」からくる言葉で、直訳では粘板岩(ねんがんばん)という意味です。
天然の粘板岩を薄い板のように加工した素材を「天然スレート」と呼びます。
一方、天然スレートに似せて人工的につくられたのが「化粧スレート」です。
化粧スレートは、セメントに繊維を合わせた素材で作られており、多くの住宅で使用されています。
スレートは通称で、コロニアルやカラーベストと呼ばれることもあります。
これらはメーカーが発売している製品名の名称です。
「ガルバリウム鋼板」とは、鋼の板に金属素材をメッキ加工した素材です。
鋼板とは、鉄に炭素を加えたもので、ここに亜鉛・アルミ・シリコンを加工するとガルバリウム鋼板になります。
ガルバリウム鋼板と似た素材に「トタン」があり、どちらの素材を用いた屋根も、金属屋根と呼ばれます。
トタンは鋼板に「亜鉛のみ」をコーティングしたもので、ガルバリウム鋼板に比べてメッキ層が少ない分、耐久性が弱いです。
昔はトタンが多く使用されていましたが、現在の金属屋根と言えばガルバリウム鋼板が主流と言えるでしょう。
一般的には使用頻度が高くありませんが、屋根材には以下のような種類もあります。
住宅の形状や、好みによってはめずらしい屋根材を使用することもあるでしょう。
・セメント瓦
・アスファルトシングル
以下で詳しくみていきましょう。
セメントを瓦の形状に固めたものを「セメント瓦」または「コンクリート瓦」と呼びます。
昔は、粘土瓦に比べて安価という理由で人気を集めていましたが、現在の新築物件にはほぼ使われていません。
セメント瓦の特徴として、10年程度を目安に塗装のメンテナンスが必要です。
粘土瓦の場合は、瓦の上に塗料を施すことは基本的にありませんが、セメント瓦は色褪せや劣化を防ぐためのメンテナンスをしなくてはなりません。
製品自体の流通も少ないため、今後も利用者が増えることは考えにくいでしょう。
「アスファルトシングル」とは、北米で開発された製品で、アスファルト素材にガラス繊維を混ぜたものです。
略称で「シングル」と呼ばれることもあり、海外の住宅ではよく利用されています。
カーペットのようなシート状の製品を、屋根に張りつけて施工します。
洋風な住宅に似合う屋根材のため、特に見た目にこだわる方に支持されやすいでしょう。
一般的な普及率は低く、あまりメジャーな屋根材ではありません。
国内でシェア率の高い、代表的な3種類の屋根材のメリットとデメリットを紹介します。
・粘土瓦のメリットとデメリット
・スレートのメリットとデメリット
・ガルバリウム鋼板のメリットとデメリット
以下で詳しくみていきましょう。
粘土瓦の最大のメリットは耐久性が高い点です。
耐用年数は50年以上が目安で、長いものでは100年以上もつケースもあります。
日本家屋と言えば粘土瓦、という絶対的なイメージもあり、老若男女問わず親しみやすい素材でしょう。
粘土瓦のデメリットは素材が重いことです。
屋根全体にある程度の重さがかかるため、地震が起きた際に影響を受けやすくなります。
また、ほかの屋根材に比べて素材の価格が高い点もデメリットのひとつです。
スレートのメリットは、施工方法がシンプルで低コストである点です。
素材自体は、粘土瓦に比べて軽く耐震性に優れています。
軽く扱いやすい素材だと施工もスムーズに行えるため、工期も短く済むでしょう。
スレートのデメリットはメンテナンスのコストがかかる点です。
スレートの耐用年数は10~25年程度で、粘土瓦の半分程度の寿命です。
また、美観を維持したい場合には塗装によるメンテナンスもしたいため、居住後も出費が嵩む可能性があるでしょう。
塗装をしても耐久性には違いがないため、塗装はしなくても問題ありません。
ガルバリウム鋼板の耐用年数は20~30年程度で、スレートに比べて長持ちします。
また、素材は粘土瓦に比べて軽量で、防水性も高いです。
材質とコスト面でのバランスの良さで人気を集め、近年シェア率を伸ばしています。
ガルバリウム鋼板は、金属という素材のためサビてしまう可能性があります。
一方、スレートや粘土瓦では、サビが発生することはありません。
また、鋼板の特性上、雨があたると音が響きやすいです。
雨音が室内に聞こえるため、音に敏感な方は気になるかもしれません。
その場合は鋼板の裏に遮音材を貼ることで音がなくなります。
自分の環境に合った屋根材を判断する際は、勾配の角度を基準にしましょう。
一般的な住宅に使われる勾配の種類は、以下の3種類です。
・急勾配(きゅうこうばい)の屋根(6寸以上)
・並勾配(へいこうばい)の屋根(3~5寸程度)
・緩勾配(かんこうばい)の屋根(3寸未満)
それぞれに適した屋根材を紹介していきます。
急勾配の屋根には、スレートの素材が適しています。
スレートの欠点である、カビの生えやすさや水はけの悪さが傾斜でカバーできるので、屋根材選びの際はぜひ参考にしてみてください。
傾斜がある屋根は水はけがよく、雨漏りもしにくい点がメリットです。
ただし、急勾配の屋根は面積が大きくなるため、工事費用は高くなる傾向があります。
予算と相談しながら使う屋根材を選択していきましょう。
3寸以上の勾配は、どの屋根材とも相性が良い組み合わせです。
・スレート
・ガルバリウム鋼板
・瓦屋根
上記のように好きな屋根材と合わせられるため、一般住宅の多くが並勾配になっています。
さまざまな屋根材を選べるので、デザインや機能などを考慮して好みのものを設置するとよいでしょう。
ただし瓦屋根を選ぶ場合は、4寸以上の勾配が必要になるので注意してください。
緩勾配の屋根には、多くの場合ガルバリウム鋼板が用いられます。
角度のつかない緩勾配は、雨水が流れにくいことが特徴です。
ガルバリウム鋼板は耐久性が高く浸水しにくいため、屋根材として使うと緩勾配のデメリットを相殺できます。
また、勾配が緩いと、同じ屋根の大きさでも面積が狭くなります。
ガルバリウム鋼板はほかの屋根材と比べて高価なので、金額面から見ても相性がよい組み合わせです。
緩勾配の屋根を選ぶ場合は、ぜひガルバリウム鋼板を選択肢に入れてみてください。
屋根材を交換するための工事方法は、下記2つが主流です。
・葺き替え
・カバー工法
各工事とその費用相場について、詳しく解説していきます。
葺き替え工事は、既存の屋根を撤去して新しい屋根材を取り付ける工法です。
大規模な工事となるため、費用は150〜250万円とやや高めの相場になっています。
葺き替えを選択するメリットは、屋根の寿命が伸びることです。
下地から新品に取り替えるため、大きな災害に対する備えにもつながります。
軽量な屋根材を選べば耐震対策にもなるので、家屋の耐久性を高めたい方は葺き替えも選択肢に入れてみるとよいでしょう。
屋根の葺き替えをする主なデメリットは、カバー工法に比べて工事金額が高いことです。
屋根全体の取り替えを行うため、どうしても金額が高くなってしまいます。
また、既存の屋根を残すカバー工法と比べて、工事期間が長くなる点もデメリットです。
施工後の屋根は非常に健康的な状態に生まれ変わりますが、費用や工事期間についてはあらかじめしっかり確認しておきましょう。
カバー工法は、既存の屋根を残したまま、表面の屋根材だけを取り替える工法です。
費用相場は100〜150万円と、葺き替え工事よりも安く抑えられます。
カバー工法では、スレートや瓦棒の屋根材をガルバリウム鋼板に取り替えるケースが多いです。
カバー工法を行うメリットは、葺き替えと比べて安く施工できることです。
屋根全体を取り替える工事ではないため、使っていた部材の撤去が不要で、施工金額も安く抑えられます。
また、工事が葺き替えと比べて短期間で終わる点もメリットと言えるでしょう。
カバー工法のデメリットは、主に下記の3点です。
・下地の交換が行えない
・使える屋根材の種類が限られる
・1度しか施工できない
工事によって耐久性は上がりますが、下地を交換する葺き替えと比較すると最終的な寿命には差が生まれます。
また使える屋根材は限られており、ガルバリウム鋼板を用いるケースが多いです。
1度しか施工が行えない点も考慮して、工事するタイミングは慎重に決めるようにしましょう。
屋根材の交換を躊躇している方には、下記2つのリフォーム方法もおすすめです。
・塗装によるリフォーム
・太陽光パネルの設置
各リフォーム方法について、詳しく解説していきます。
屋根材の痛みが少ない場合は、塗装によるリフォームも可能です。
見た目がキレイに生まれ変わるため、外観の劣化が気になる方に向いています。
屋根塗装はカバー工法や葺き替えよりも簡単に施工できるうえに、費用も安く抑えられます。
屋根材の経年劣化を防ぐことはできませんが、安く短期間でリフォームしたい場合は塗装工事がおすすめです。
屋根の汚れが気になっている方は、上から太陽光パネルを設置する手段もあります。
太陽光パネルは、表面の汚れがある場合でも下地に痛みが少なければ設置できるアイテムです。
パネルを設置すると将来的な節電にもつながるので、電気代を意識している方はぜひ選択肢に加えてみてください。
太陽光パネル設置の注意点は、取り外す際に費用がかさむ点です。
屋根の状態や自分のライフスタイルに合う場合は、太陽光パネルの設置もおすすめのリフォーム法です。
屋根のリフォーム方法に迷ったら、下記のような手段で情報収集を行いましょう。
・友人や知人に相談する
・SNSで体験談を探す
・工務店に相談に行く
・屋根の専門家に問い合わせる
それぞれの方法について、詳しく解説していきます。
リフォーム方法に迷ったら、まずは友人や知人に相談してみるのがおすすめです。
実際に工事を行った人の意見はとても参考になるので、具体的なイメージがしやすくなります。
工事を依頼する際の注意点や掛かった費用など、複数人から意見が得られると判断がスムーズになります。
近所にリフォーム経験のある人がいる場合は、一度感想を聞いてみるとよいでしょう。
TwitterやInstagramに登録している方は、SNSで体験談を探すのもおすすめです。
現在はリフォームに関する発信をしているアカウントも多数あり、さまざまな参考意見が発見できます。
ただし、SNSで見かけた情報をすべて鵜呑みにしてはいけません。
あくまで参考程度に捉えつつ、いくつかの情報を並べて判断に活かしていくとよいでしょう。
工務店は、屋根や外壁などのリフォーム工事を総合的に取り扱っている業者です。
あらゆる工事に対応しているため、相談に行くとさまざまな角度からアドバイスを受けられます。
中にはリフォームの無料相談会を実施している会社もあるので、見かけた場合は積極的に参加するとよいでしょう、
工事経験に基づいたアドバイスが受けられるので、具体的なイメージがしやすくなります。
どうしても迷ってしまう場合は、屋根の専門家である建築板金業者に問い合わせるのがおすすめです。
見積もりは無料で対応している業者が多いため、実際の費用感も想像しやすくなります。
屋根材は、地域の気候によってシェア率が異なるものです。
建築板金業者は地域に適した屋根も提案してくれるので、より具体的な判断ができるでしょう。
屋根にはさまざまな形状がありますが、それぞれに最適な屋根材があります。
屋根の形状別の屋根材のシェア率は以下のとおりです。
※屋根の形状は代表的ないくつかの種類をピックアップしています。
・粘土瓦:30.2%
・スレート:39.0%
・ガルバリウム鋼板:22.5%
・その他:8.3%
・粘土瓦:28.9%
・スレート:54.3%
・ガルバリウム鋼板:8.5%
・その他:8.6%
・粘土瓦:3.4%
・スレート:17.4%
・ガルバリウム鋼板:70.1%
・その他:9.1%
・粘土瓦:13.8%
・スレート:38.8%
・ガルバリウム鋼板:34.9%
・その他:12.5%
以下では、その他の屋根の形状についても記載されていますので、参考にしてください。
参照:https://www.jhf.go.jp/files/400346801.pdf
屋根材の種類別のシェア率は以下のとおりです。
・粘土瓦:18.7%
・スレート:32.7%
・ガルバリウム鋼板:37.8%
・その他:10.8%
以下では、近年のシェア率の推移についても記載されていますので、参考にしてください。
参照:https://www.jhf.go.jp/files/400346801.pdf
地域ごとの特性に合わせて、屋根材のシェア率が大きく異なることをご存知でしょうか。
特に顕著なのが北海道で、ほとんどが金属屋根を利用しています。
これは、雪の重みに耐えられるよう、軽量の屋根材が用いられているという理由からです。
地域別の屋根材のシェア率は以下のとおりです。
・ガルバリウム鋼板:55.5%
・ガルバリウム鋼板以外の金属屋根42.2%
・その他:2.3%
・粘土瓦:14.7%
・スレート:14.1%
・ガルバリウム鋼板:56.7%
・その他:14.5%
・粘土瓦:12.6%
・スレート:61.9%
・ガルバリウム鋼板:14.6%
・その他:10.9%
・粘土瓦:18.6%
・スレート:27.6%
・ガルバリウム鋼板43.0%
・その他:10.8%
・粘土瓦:24.2%
・スレート:26.3%
・ガルバリウム鋼板:42.2%
・その他:7.3%
・粘土瓦:16.1%
・スレート:44.9%
・ガルバリウム鋼板:31.8%
・その他:7.2%
・粘土瓦:28.2%
・スレート:31.8%
・ガルバリウム鋼板:32.1%
・その他:7.3%
参照:https://www.jhf.go.jp/files/400346801.pdf
屋根材は種類によってさまざまな特性を持っています。
普段、聞きなれない言葉も多いですが、調べておくと修理やリフォームの際にはきっと役立ちます。
それぞれのメリットとデメリットを把握したうえで、自身の住宅にあう屋根材をみつけましょう。
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内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。