東村山、東大和、小平、国分寺、西東京、東久留米、清瀬、新座、所沢を拠点に東京・埼玉に対応中!

内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

「ステンレス素材は住宅の屋根に向いているのか?」
「ステンレス屋根について詳しく知りたい」
住宅に使用する屋根材を検討する際に、ステンレス屋根を候補に挙げる方もいるでしょう。
ステンレスは一般住宅の屋根以外にも学校や大型施設などにも使われています。
耐久性が高い屋根材ではありますが、あまり普及していないのが現状です。
本記事では、ステンレス屋根について以下の項目を解説します。
・ステンレス屋根とは?
・ステンレス屋根の耐用年数と費用相場
・ステンレス屋根のメリット
・ステンレス屋根のデメリット
・ステンレス屋根の種類と施工例
・ステンレス屋根とその他の屋根の出荷動向
・ステンレス屋根以外の屋根材の種類と特徴
上記の内容を把握できれば、住宅の屋根にステンレスを取り入れる際の判断がしやすくなるでしょう。
目次

「ステンレス屋根」とは、鉄・クロム・ニッケルなどが含まれているステンレスの部材を用いた屋根のことです。
これらの成分でできているステンレス屋根は、サビにくく長持ちするのが特徴です。
鉄が酸化するスピードをクロムが抑制してくれるため、潮風があたる沿岸部の住宅屋根にも使用できます。
軽量な屋根材でもあるため、地震による倒壊リスクも軽減できます。
ステンレス屋根の耐用年数と費用相場
ステンレス屋根の費用相場(製品代金)は、1平方メートルあたり5,000〜14,000円程度です。
葺き替えやカバー工法の際は、商品代のほかに作業費や足場代が加算されます。
費用はあくまでも目安で、屋根の大きさやステンレス屋根の種類など状況によって費用は異なります。
正確な金額を知りたい場合は、業者に見積もりを依頼しましょう。
ステンレス屋根の耐用年数は50年程度と、金属屋根のなかでもっとも長いです。

ステンレス屋根は丈夫な性質で、耐用年数が長いことが大きなメリットです。
ガルバリウム鋼板やスレートに比べて耐候性に優れていることから、美観を維持しやすい魅力があります。
金属屋根の懸念点であるサビも、ステンレス屋根の場合はあまり心配がありません。
そのため、外観を重視したい方にステンレス屋根は向いているでしょう。
基本的にメンテナンスフリーな屋根材でもあるため、長い目で見るとランニングコストを抑えられます。

ガルバリウム鋼板に比べて価格が高く、スレートや瓦に比べて防音性に欠ける点がステンレス屋根のデメリットです。
防音性が低いと雨音がうるさく感じてしまうため、気になる方は屋根材の下に防音シートを設置するとよいでしょう。
初期費用は高くなってしまいますが、メンテナンスに手間がかからないことを考慮すると、トータルで見たときのコストは低くなります。

ステンレスの屋根材を取り扱うメーカーはあまり多くありません。
一例として、以下でステンレス屋根材の商品と施工例を紹介します。
・月星スワンカラーF
・アルスターステンレス
・カッパーソフテン
・タフテンZ
それぞれを詳しく見ていきましょう。
月星スワンカラーFは、「フッ素樹脂系塗料」をコーティングしたステンレス鋼板です。
紫外線による変色や変形などの症状が起きにくい月星スワンカラーFは、基本的に20年間塗装が必要ありません。
洗練されたデザインで、どんな建物にも調和しやすいカラーラインナップです。
施工事例としては、「江戸川スポーツセンター」の屋根に月星スワンカラーFが使用されています。
アルスターステンレスは、溶融アルミニウムめっきを施したステンレス屋根です。
溶融アルミニウムめっきには、犠牲防食(ぎせいぼうしょく)の機能があります。
犠牲防食とは、鉄の表面がサビはじめる前に、亜鉛が犠牲になって腐食を防ぐという作用のことです。
つまり亜鉛をコーティングしてある屋根材は、サビにくいといえるでしょう。
塩害環境にも耐性があることから、海沿いの地域でも使用可能です。
アルスターステンレスは、東京国際展示場と東展示棟の屋根に施工されています。
カッパーソフテンは表面に銅めっきを施した「電気銅めっきステンレス鋼板」で、サビに強く耐久性に優れた屋根材です。
銅めっきの効果で酸化しても銅の落ち着いた色合いが現れるため、デザイン性を重視する建物にも最適です。
また、銅には緑青(ろくしょう)と呼ばれるサビの一種が発生することがあります。
緑青は表面をサビで覆うことで、内部までそれ以上のサビが広がらないようにしてくれる、独特な現象です。
またカッパーソフテンは加工がしやすい素材のため、曲線を描いてアーチ型の屋根にすることも可能です。
施工例としては、「中央学院大学体育館」の屋根に使用されています。
タフテンZは、「溶融亜鉛めっきステンレス鋼板」ベースになった屋根材です。
溶融亜鉛めっきの防錆性と、ステンレスの耐食性を合わせ持つハイグレードな商品で多くの建物で使用されています。
自然な黒灰色がタフテンZの特徴で、「いぶし瓦」のような和風のテイストです。
日本瓦の重厚感や、見た目の美しさを求める方には最適な屋根材でしょう。
赤錆の発生が少なく、美しい外観が保てるメリットがあります。
タフテンZは、「滋賀県立大学環境学部棟」の屋根に用いられています。

ステンレス屋根はどのくらい使われているのでしょうか。
ほかの屋根材との出荷数を比較してみると、使用量がわかります。
一例として、出荷数を表す以下のようなデータがあるので、参考にしてください。
・塗装ステンレス屋根材:12,699トン
・塗装55%アルミメッキ鋼板(ガルバリウム鋼板):185,620トン
・亜鉛鉄板(トタン):11,910トン
統計データによると、ステンレス屋根はガルバリウム鋼板の1/10程度の出荷量となっています。
多くの業者はガルバリウム鋼板を推奨するため、なかにはステンレス屋根の施工に対応していない場合もあります。
施工を依頼する際は、業者が対応しているかどうかも確認しておきましょう。

ステンレス以外の屋根材についても、知っておきましょう。
国内で使用されている屋根材は、主に以下の4種類が挙げられます。
・ガルバリウム鋼板
・トタン
・スレート
・粘土瓦
それぞれの特徴をまとめたので、ステンレス屋根と比較してみてください。
ガルバリウム鋼板は金属製の屋根材で、近年、普及率が伸びている人気の素材です。
金属の性質上、サビが発生する点がデメリットですが、加工がしやすいことから多くの住宅屋根に使用されています。
カラーバリエーションも豊富で、市場には多くの製品が流通しています。
耐用年数は20〜40年程度と金属屋根のなかでは長いほうで、施工してから約20年以上は塗装の必要性が低いです。
ガルバリウム鋼板を取り入れる場合の費用相場は、1平方メートルあたり6,000円前後です。
トタンは、鋼板を薄く加工して亜鉛をめっき加工した屋根材です。
薄くて軽い素材で、以前は新築やカバー工法の際に用いられていました。
しかし近年は、より高機能なガルバリウム鋼板が使用されることが多くなっています。
トタンの耐用年数は6〜20年程度で、新設から10年前後で塗装するのが一般的です。
現在、トタンは新規の屋根に使用されることはなくなりました。
ステンレスは耐用年数を長く保つ事を前提としているので、公共の建物等に使用されます。
一般的な家の屋根で金属屋根といえばガルバリウム鋼板が殆どです。
スレートは、セメントに繊維を合わせた素材でできた屋根材です。
カラーベストやコロニアルといった商品名で呼ばれることもあります。
平型や波型のデザインがあり、カラー展開も豊富なためイメージに合うものが見つかりやすいでしょう。
扱いやすい屋根材ですが、ひび割れしたりコケが発生したりする素材のため、定期的なメンテナンスを行う必要があります。
耐用年数は10~25年程度で、費用相場は1平方メートルあたり4,500〜25,000円程度が目安です。
粘土瓦は、粘土を材料として瓦の形に形成した日本の伝統的な屋根材です。
厚みのある形状で、遮熱断性や耐火性に優れています。
一方で、素材が重いため、建物の耐震強度に影響を与える可能性があります。
耐用年数は50年程度で、ステンレス屋根と同様に長持ちする屋根材です。
費用相場は1平方メートルあたり8,000〜25,000円程度が目安でしょう。

ステンレス屋根は、見た目も機能も長持ちする、優秀な素材です。
金属屋根のなかでは耐用年数が長く、コストパフォーマンスも良いのですが、国内ではあまり普及していないのが現状です。
ガルバリウム鋼板に比べて出荷数や施工例が少ないため、ステンレス屋根の設置は経験値の高い業者に依頼することをおすすめします。
美観や機能性をできるだけ長く維持したい方は、ステンレス屋根の導入を検討してみましょう。
屋根修理業者を選ぶ場合は屋根の修理業者を選ぶ7つのポイント!失敗しない選び方を知ろうを読めば失敗を避けやすくなります。
ぜひチェックしてみてください。
なお、じもと屋根修理では地元の一部地域を対象に、ドローンを活用した屋根点検を無料で実施しています。
お近くにお住まいの方でご興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。