東村山、東大和、小平、国分寺、西東京、東久留米、清瀬、新座、所沢を拠点に東京・埼玉に対応中!
「瓦屋根の寿命ってどれくらい?」
「メンテナンス次第で瓦屋根の寿命を延びるの?」
屋根に瓦を使用する際、多くの方が気になるのは、寿命やメンテナンスに関する悩みではないでしょうか。
瓦屋根には3種類あり、セメント瓦は20〜40年程度、釉薬瓦や無釉瓦などの粘土瓦は50~100年ほど持つと言われています。
本記事では屋根の寿命やメンテナンス、修理方法などをわかりやすく説明します。
目次
瓦屋根の種類は大きく分けて3つあります。
それぞれの寿命とあわせて紹介します。
・セメント瓦は20〜40年程度
・釉薬瓦(和瓦)は50~100年程度
・無釉瓦(洋瓦)は50~100年程度
屋根の状況や自然災害の有無などによって寿命は異なるものの、瓦屋根は耐久性が高く再塗装などのメンテナンスも不要です。
瓦そのものの寿命は長く、多くの場合は部分修理で直せます。
メンテナンスを行うとさらに長く安心して使えます。
瓦屋根の種類は、大きく分けて3種類あります。
・釉薬瓦(和瓦)
・無釉薬瓦(洋瓦)
・セメント瓦
3種類とも耐久性や防音性に優れ、メンテナンスが比較的楽な屋根材です。
それぞれのメリットやデメリット、寿命について詳しく解説します。
瓦屋根を検討する際には、建物の外観や屋根の形状、立地条件、そして周囲の景観に合わせて、適切な瓦の種類を選ぶことが重要です。
釉薬瓦(ゆうやくがわら)は、瓦の表面に釉薬(うわぐすり)と呼ばれる特殊なガラス質の薄い被膜を施した瓦のことを指します。
寿命は50~100年ほどです。
寿命が長く瓦そのものに関するメンテナンスは不要です。
瓦表面に施された釉薬で水が浸透しないため、防水性・耐久性が高いのが特徴といえます。
釉薬で色やツヤの出し方が豊富で見た目を重視する人にも人気があります。
無釉薬瓦(むゆうやくがわら)は、瓦の表面に釉薬を施さずに焼成した、無色透明なガラス質の被膜がない瓦のことを指します。
無釉薬瓦には、いぶし瓦や素焼き瓦などの種類があります。
無釉薬瓦の寿命は50~100年ほどです
無釉薬瓦は通気性が良く、湿気を吸収しやすいため、湿度の高い地域での使用が適しています。
無釉瓦は色や形状が限られる場合がありますが、その分シンプルなデザインと自然な風合いで独自の趣が楽しめます。
セメント瓦は、セメントと砂で作られた瓦です。
セメント瓦は比較的寿命が短く、20〜40年ほどです。
価格が安いため、1970年代から1980年代ごろによく使われていました。
しかし、釉薬瓦や無釉瓦と比べると耐久性が低いこともあり、現在はあまり使われていません。
瓦屋根の大きなメリットは下記の5つです。
・高い耐久性と防水性
・夏は断熱性が高く、冬は保温性が高い
・セメント瓦を除き、メンテナンスは基本的に不要
・色の選択肢も多くデザイン性が高い
・紫外線に強い
瓦屋根のメリットは耐久性が高く、100年も持つことを考慮するとコスパのいい素材です。
修理やメンテナンスのときも下地はそのまま使えるので部分的な修理で済み、コストパフォーマンスに優れています。
瓦屋根のデメリットは下記の2つです。
・重いので屋根に負担がかかり、耐震性も低下しやすい
・瓦が落ちたり飛んだりする可能性がある
瓦は重いので、建物全体に負担がかかります。
そのため屋根や建物に負担がかかるほか、耐震性の低下が懸念されます。
しかし、瓦が重くて耐震性や耐久性が著しく低下するという心配は不要です。
今の家は耐震性もしっかりと考え、建てられているので大きな問題はありません。
耐久性の高い瓦屋根の寿命をさらに延ばすためには、下記のようなメンテナンスが大切です。
・台風や強風のあとに点検をしてもらう
・寿命になる前のタイミングで業者にみてもらう
・不具合が発生したタイミングで業者に相談する
詳しく説明します。
台風や強風のあとの点検は、瓦屋根の寿命を延ばすためにもっとも大切なメンテナンスです。
瓦の屋根は基本的に塗り替えなどのメンテナンスが必要ありません。
瓦自体の耐久性が高いので、割れたりひびが入ったりしていなければそのまま使えます。
ただし瓦を下地に止める部分が劣化している場合があるので、全く点検が不要ということではありません。
瓦がズレていないか、ひび割れがないか、漆喰に異常がないか、といった点を確認する必要があります。
ズレやひび割れがあれば補修が必要です。
定期的に点検をして、劣化していれば下地を補修しましょう。
寿命になってからメンテナンスを行うのではなく、寿命を迎える前のタイミングで専門業者に見てもらうことが大切です。
セメント瓦は比較的寿命が短く20〜40年程度、釉薬瓦と無釉薬瓦は50~100年ほど持つといわれている屋根材です。
セメント瓦の場合は、寿命よりも前に5〜20年の間で定期的に塗装する必要があります。
適切なタイミングで塗装を含めたメンテナンスを行うことで、瓦屋根の寿命を延ばせます。
下記のような不具合があったら業者に相談する必要があります。
・雨漏りや壁、天井のシミ
・瓦のズレや割れ
・漆喰のはがれ
・防水シートの不良
・板金部分の劣化
これらの不具合が発生したタイミングで放置せず、業者に相談することが大切です。
放置すると一部交換や補修だけではなく、葺き替え工事が必要になってしまうかもしれません。
葺き替え工事とは、新しい屋根の張り替えのことです。
屋根の張り替えにはお金と時間がかかるため、そうならないよう不具合を発見したら迅速な対応を心がけましょう。
瓦屋根が寿命を迎えていると判断できるサインには、下記があります。
・瓦に異常が発生している
・瓦屋根が全体的に歪んでいる
・瓦にズレが発生している
・漆喰に異常が発生している
以下では、それぞれのサインを具体的に解説していきます。
瓦は基本的に頑丈なので、多少の衝撃で割れたりひびが入ったりしません。
しかし地震や台風などで大きな衝撃が加わると、破損してしまうことがあります。
瓦の破損でできた隙間から雨水が浸入すると、下地の劣化が早まり雨漏りにつながってしまうかもしれません。
台風が多い時期や地震が生じた際は、専門業者に依頼し瓦屋根の状態を点検することをおすすめします。
瓦屋根が一部分だけでなく全体的に歪んでいる場合、寿命が近いサインかもしれません。
歪みがある時点で経年劣化の影響が想定されますが、歪みにより屋根の水はけが悪くなることでさらなる劣化が生じます。
なぜなら部分的に雨水が溜まりやすくなると、瓦の内部に水が浸入して雨漏りのリスクを高めるからです。
瓦屋根の全体的な歪みは突然生じるわけではなく徐々に進行するため、悪化するまで気づかないケースもあるでしょう。
少しでも異変や違和感があったら早急に修理業者に連絡し、問題がないかどうかを確認してもらうことをおすすめします。
瓦にずれがある場合、経年劣化により瓦の接着が弱まっている可能性があります。
また地震や強風時に飛んできた物との衝突などで、瓦がずれてしまったのかもしれません。
瓦がしっかり固定されていない状況では、発生した隙間から雨漏りが生じたり瓦が落下したりするリスクがあります。
瓦のずれは素人でも目で見て判断しやすいので、気付いた時点で早急に対処を検討するのがベストです。
瓦自体に問題がない場合でも、漆喰に剥がれや崩れなどの異常が発生していれば何らかの対処が必要なサインです。
漆喰の劣化が悪化すると瓦の全体的な歪みにつながり、瓦の落下による怪我や物損のリスクが高まります。
家の周辺に歪なコンクリートの欠片が落ちている場合、漆喰が破損しているのかもしれません。
屋根の最上部にあり普段は目につきにくい傾向にありますが、意識的に状態を確認するよう注意しましょう。
寿命を迎えた瓦屋根を放置すると、下記のリスクが発生する恐れがあります。
・雨漏りが発生しやすくなる
・お家の外観が悪くなる
「瓦に異変があったくらい」と軽く考えていると、建物の大きな損傷につながるかもしれません。
以下ではそれぞれのリスクを具体的に確認していきましょう。
通常瓦屋根は瓦の隙間への雨水の浸入を踏まえて設計されていますが、内部の下地に劣化があれば雨漏りが起きやすくなります。
特に瓦の下に張られた防水シートに薄化や破れがある場合、防水性は大きく低下しがちです。
「瓦がまだまだ綺麗だから大丈夫」と下地の劣化を放置していると、大規模な補修が必要になる可能性があります。
瓦屋根の劣化を放置すると、後々お家の美観を損なうケースがあります。
たとえば漆喰の破損があると、内部の土が外に出たり雨水とともに流れたりする可能性があり不潔な外観になってしまいがちです。
また瓦のずれや崩れがあると、どれだけ立派な家でも見栄えが悪くなってしまいます。
初期の劣化はさほど目立ちませんが、きちんとメンテナンスをしなければ家の見た目が大きく変わってしまうかもしれません。
瓦屋根の修理方法は7通りあります。
・葺き替え
・葺き直し
・部分修理
・塗装
・瓦の交換
・漆喰の補修
・棟瓦の積み直し
以下ではそれぞれの方法を具体的に紹介していきます。
葺き替えとは、瓦と下地を全て新品に交換する工事のことです。
瓦の経年劣化と下地の損傷が同時に見られる場合や、屋根材自体を瓦から他の種類に変えたい場合などに行います。
下地である野地板や防水シート、桟木などから全て刷新できるので、工事後数十年ほどは劣化の不安なく過ごせるのがメリットです。
また「大きな地震に備えて屋根の軽量化を図りたい」という場合にも、軽量の屋根材への葺き替えで耐震性を高められます。
葺き直しとは、屋根から瓦を全て撤去して下地のみを交換する工事のことです。
下地には屋根材を支えるだけでなく防水の役割もあるので、高性能な瓦を使用していても下地に傷みがあると雨漏りは防げません。
また漆喰の劣化や瓦のずれなどで瓦の内部まで雨風が浸入しやすくなると、下地の寿命は短くなりがちです。
屋根材の耐久性を高めるためにも定期的に下地の点検を行い、適切なタイミングで葺き直しを行う必要があります。
瓦の劣化が比較的軽度の場合、多くは部分的な修理で済みます。
たとえば瓦を固定している釘に浮きがある場合、必要な作業は新しい釘の打ち込みだけです。
今ある釘を一旦除去して下地材の状態を確認後、問題がなければ新しいビスや釘などで瓦を固定し直します。
また瓦のヒビや破損がある場合も、軽度であればコーキング処理だけで対応可能です。
瓦の状態を定期的に確認し適切な部分修理を行えば、劣化の進行や修理費の増大を避けられます。
基本的に瓦屋根に塗装は必要ありませんが、経年劣化による色褪せに向けた瓦用塗料も販売されています。
ただし粘土瓦は塗料が付着しにくい性質なので、塗装後すぐに塗膜が剥がれ落ちてしまうリスクがあります。
場合によっては塗装前よりも美観が損なわれてしまうケースもあるため、瓦は経年による自然な風合いを楽しむのがおすすめです。
一方セメントやコンクリートでできた瓦の場合、定期的に塗装のメンテナンスを行います。
塗膜の劣化やコケの発生が瓦へのダメージとなるので、10〜15年ごとに瓦の塗り直しを検討しましょう。
割れた瓦がある場合、撤去と交換が必要です。
瓦の割れは生活に直接悪影響を与えませんが、下地の劣化を早めたり落下による二次災害につながったりするリスクがあります。
特に防水シートにダメージが及ぶと、雨漏りの直接的な原因となりがちです。
さらに万が一落下した瓦が第三者を怪我させたり周辺の車や建物を破壊してしまったりすると、損害賠償が生じるケースもあります。
部分的な瓦の交換であれば工期・工費ともに抑えやすいため、瓦の割れを見つけたらすぐに対応しておくのがおすすめです。
漆喰とは屋根の最上部にある棟の根元に用いられる材料で、棟瓦と平部の瓦を固定する役割があります。
漆喰が経年劣化すると瓦を支える力が弱まり瓦のズレや落下につながるため、定期的な補修は重要です。
また破損した箇所から雨水が浸入すると内部の土が溶け出し、さらなる漆喰の崩壊を招くケースもあります。
漆喰の寿命は一般的に15~30年とされていますが、点検などのメンテナンスは10年ごとを目安に行うのが理想です。
屋根の面同士が交わる棟は本来直線でなければなりませんが、新築から十数年程度で歪みが生じ始めることがあります。
棟に歪みが生じると、棟を形成する棟瓦を積み直すメンテナンスが必要です。
一度変形した棟は漆喰を詰め直しても修正できないので、全ての棟瓦を解体してから積み直します。
棟瓦の歪みは漆喰の剥がれや崩れから起こり、最初は瓦の微細なズレから始まるため気づくのが困難です。
漆喰を定期点検する際に、棟にずれがないかどうかもチェックすることが望ましいでしょう。
安心して依頼できる修理業者を選ぶポイントは下記の7つです。
・見積もりを複数取り、比較検討する
・現地調査の対応が丁寧かを確認する
・評判や口コミをチェックする
・過去の施工実績を確認して信頼性を確認する
・小規模な工事でも快く引き受けてくれるかを確認する
・施工後の保証内容を確認して安心感を持つ
・訪問営業してくる業者は避ける
修理業者を選ぶポイントについて、詳しく知りたい方は下記の記事でチェックしてください。
▼関連記事
屋根の修理業者を選ぶ7つのポイント!失敗しない選び方を知ろう
瓦以外にも、屋根を構成する重要な材料に下記があります。
・漆喰
・野地板
・防水シート
以下ではそれぞれの寿命や役割を解説します。
漆喰とは焼いた石灰に水を加えた「消石灰」を主成分とする材料で、耐火性に優れているのが特徴です。
寿命は一般的に15〜30年とされており、棟の葺き土(瓦を屋根に接着するための土)を保護する役割があります。
葺き土は比較的古い家で使われている材料ですが、経年により崩れやすくなったり吸水性が上がったりする特性があります。
さらに棟の葺き土は表面に露出するため雨風による影響を大きく受けやすく、漆喰でのコーティングが不可欠です。
野地板とは「垂木」の上に設置する板のことで、寿命は30〜40年程度と長めです。
垂木は家の骨組みにあたる部分で、野地板は垂木に直接張ることで屋根材を増強する役割があります。
野地板の上に防水シート・屋根材の順番で設置するのが一般的で、3つは瓦屋根を含むさまざまな屋根に欠かせないセットです。
瓦の隙間から入り込んだ雨水は野地板上の防水シートを流れるため、野地板自体は天候による影響を受けにくい傾向にあります。
防水シートとは屋根材と野地板の中間に位置するシートで、「ルーフィング」や「防水紙」とも呼ばれる材料です。
雨水が浸入するのを防ぐ役割があります。
瓦屋根では他に防水機能を持つ材料がないため、防水シートは雨漏りを防ぐための最後の砦のような存在です。
破れや破損は野地板や垂木を腐敗させる直接的な原因になるため、定期的なメンテナンスは非常に重要といえます。
瓦屋根の寿命についてよくある疑問は下記の通りです。
・瓦の部分修理にかかる費用相場は?
・瓦屋根の劣化サインは?
・瓦からガルバリウム鋼板への葺き替えは可能?
同じような疑問を持っている方は、ぜひ参考にしてください。
瓦の部分修理(瓦の交換)にかかる費用相場は5,000~50,000円ほどです。
ほかの屋根素材に比べても、瓦屋根の修理にかかる費用は安価な傾向にあります。
瓦屋根の劣化サインは、下記の通りです。
・瓦のひび割れ
・カビ、コケ、藻の繁殖
・ズレ、たわみ、歪み
・退色や変色
上記のような劣化症状が見られたら、早期の補修がおすすめです。
とくに、台風や地震のあとにはメンテナンスが大切です。
素人が目視でメンテナンスを行うのは難しいうえに、屋根に上がって確認するのは安全面からも絶対にお勧めできません。
専門業者にお願いするようにしましょう。
瓦屋根からガルバリウム鋼板への葺き替えリフォームは実施できます。
地震や突風の多い地域など、瓦の落下やズレなどが気になる地域では、瓦からガルバリウム鋼板へのリフォーム工事が多い印象です。
葺き替えには建物の構造や条件、予算などを総合的に判断する必要があります。
信頼できる専門業者へ相談しましょう。
本記事では瓦屋根の寿命や種類、メリット・デメリットについて解説しました。
瓦屋根の寿命は他の素材に比べても長く、釉薬瓦や無釉瓦は50〜100年ほど持ちます。
しかし寿命が長いといっても、定期的なメンテナンスは欠かせません。
信頼できる専門業者に依頼をしてメンテナンスすることで、瓦屋根は長持ちします。
屋根に関する相談は、ぜひじもと屋根修理にお問い合わせください。
内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。