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屋根を葺き替える際、コロニアルとはどんな屋根材で、工事にはいくらくらいかかるかなど気になっている方も多いでしょう。
今回は、コロニアルの特徴や葺き替え工事の費用相場、施工した際のメリットやデメリットなどを紹介していきます。
記事を読むことで、コロニアルの特徴や葺き替え費用などを知り、住宅に適した屋根材かどうかを見極めやすくなります。
目次
コロニアルとは、「スレート屋根材」の商品名の1つです。
原料はセメントと繊維質でできており、耐用年数はおよそ20~25年です。
また、スレート屋根材は「カラーベスト」という名前で呼ばれることも多いです。
カラーベストとは、コロニアル同様、ケイミュー社製のスレート屋根材のシリーズ名を指しています。
一般的な住宅で瓦やスレートからコロニアルへの葺き替えをする場合、70~200万円が費用相場となっています。
葺き替えとは、古い屋根を撤去して、新規の屋根材を張り替える工事方法です。
コロニアルの施工のみの価格は、1平方メートルあたりおよそ5,000~7,000円が相場となります。
瓦の場合は8,000~15,000円、ガルバリウム鋼板では6,500~8,000円です。
コロニアルはほかの屋根材に比べると価格が低いため、工事費用を抑えたい方にはおすすめの建材です。
メリットとして、主に以下の3つが挙げられます。
・軽量である
・デザイン性が高くなる
・施工の失敗が少なくなる
3つのメリットの内容を、詳しくチェックしてみましょう。
コロニアルは厚さが5ミリほどの薄い素材なので、軽量で施工しやすいです。
例えば、瓦から軽量な屋根材であるコロニアルに葺き替えると、住宅への負担が少なくなり耐震性が上がります。
耐震性が上がると、地震が起きても影響を受けにくい住宅になります。
コロニアルは、オレンジやブラックなど選べるカラーが多いです。
外壁に合わせて、1色ではなく複数の色を使って屋根を彩ることも可能となります。
デザイン性も高いので、好みのスタイルで屋根を施工したい方にはオススメの建材です。
コロニアルは人気のある屋根材なので、業者も施工経験が多いです。
そのため、あらゆるケースに対しての知識やスキルが豊富で、施工の際の失敗が少なくなります。
施工できる業者が多いと工事価格が安くなる場合があるため、費用を抑えられるケースもあります。
デメリットとして、以下の3つが挙げられます。
・耐用年数が短めである
・割れやすいという特徴がある
・寒冷地域での施工には不向きである
デメリットもチェックして、葺き替える屋根材を検討する際のチェックポイントにしましょう。
以下で、それぞれのデメリットの内容を詳しく説明します。
ほかの屋根材に比べると、耐用年数が20~25年と短めです。
粘土瓦の耐用年数は50年以上、ガルバリウム鋼板は30年ほどです。
耐用年数が長い屋根材に比べると、葺き替えやカバー工法などの工事が必要になる時期が早くきてしまいます。
コロニアルは薄い屋根材なので、経年とともに割れやすくなってしまう特徴があります。
ほかにも台風や大雪、点検作業の際などにも割れやすくなるのです。
また、塗装面の劣化により水分が内部に染み込み、凍結と融解を繰り返すことでひび割れが起きやすくなる場合もあります。
屋根材が割れてしまうと、雨漏りの原因になるため注意が必要です。
コロニアルの割れに早めに気づくためにも、10年に1度は定期点検を行うようにしましょう。
コロニアルは、寒冷地域での施工には不向きです。
吸水性が高く、寒冷地域の屋根に施工すると内部が凍結して、ひび割れが起きやすくなるためです。
さらに、ほかの屋根材に比べると断熱性も低いため、外の冷気をそのまま住宅の内部に通しやすくなります。
寒さをしのぐ必要のある東北や北海道などの寒い地域では、コロニアルの使用は業者とよく相談をして対策を講じてから決めるようにしましょう。
コロニアル屋根材とは、ケイミュー社というメーカーの商品名です。
日本の住宅で6割のシェアを誇る、セメントが主成分で繊維素材をつなぎにして加工したスレート屋根。その一種です。
コロニアル屋根材のメンテナンス方法について詳しく紹介します。
コロニアルのメンテナンス方法の一つに、葺き替えがあります。
葺き替えとは、既存の屋根材を撤去して新しいものを設置することです。
葺き替えは、既存のコロニアルを新しいものにするため費用と時間がかかりますが、外観は美しく生まれ変わります。
コロニアルの葺き替えのポイントは、メーカーマニュアルにもある野地板の張り替えです。
既存の野地板の再利用は禁止されているので、必ず張り替えましょう。
コロニアルのメンテナンス方法には、重ね葺き(カバー工法)もあります。
重ね葺き(カバー工法)とは、既存の屋根材のうえに新しいものを設置する方法です。
費用と時間は葺き替えよりかからないのですが、屋根の重量が重くなるため耐震性が低下する可能性があります。
また、屋根下地の傷みが著しい場合は施工できないので、葺き替えが必要になります。
コロニアルの劣化の兆候を見逃さず適切にメンテナンスできれば、屋根の寿命を延ばすことにつながります。
劣化の兆候を放置していると、雨漏りや剥がれなどの不具合が発生しやすくなります。
コロニアルの代表的な劣化の兆候を紹介しますので、メンテナンスを行う時期の参考にしてください。
防水効果が切れた屋根材は、常に吸水した状態になり、空気中のコケの胞子が屋根に付着し繁殖します。
屋根に茶色の汚れのように見えるのは、ほとんどがコケです。
一般的に日当たりが悪い北面に発生することが多いですが、日差しがあっても発生する種類のコケもあります。
カビは菌類なので日光を必要としませんが、明るい場所でも繁殖します。
水気が浸みこみやすい部分や軒天部分に発生しやすいです。
コケやカビを放置しておくと、屋根の耐久性が低下し、水切りも悪くなって雨漏りの原因になります。
専門業者に依頼し、高圧洗浄でしっかり洗い流すことが必要です。
色褪せや変色は、塗料を塗って固まることでつくられる塗膜の劣化で起こります。
塗膜の劣化は経年で起きやすいですが、塗装の施工不良や塗料の不具合が原因でも発生します。
塗膜は、紫外線や雨水などから屋根材を保護する働きをします。
色褪せや変色が起きるということは、塗膜の保護機能が低下している兆候です。
色褪せや変色は、日光の紫外線が、塗膜の樹脂と顔料を分離・劣化させることで発生するからです。
色褪せや変色を放置しておくと、屋根材の防水性が低下し、雨水が侵入してきて雨漏りの原因となります。
色褪せや変色は、洗浄では取り除けないため塗装が必要です。
コロニアルの反りや剥がれは、塗装の劣化で侵入した水分による湿潤と乾燥の繰り返しで発生します。
コロニアルの主成分はセメントなので、水分を吸収しやすく影響を受けやすいのです。
塗装の劣化には築年数や施工状況、塗料の耐久年数なども関係します。
放置すると、すき間から雨水が侵入して雨漏りの原因となったり、強風で屋根材が飛散する原因になったりしますので早急の補修が必要です。
反りや剥がれが発生してしまうと、塗装や洗浄での回復は無理なので、葺き替えや重ね葺きでのメンテナンス方法で修理します。
塗膜の劣化により保護機能が低下すると、鉄である板金は雨水や紫外線を受けてサビを発生させるようになります。
予防するには、サビ止め効果のある塗装がおすすめです。
また、板金は外気温の高低で膨張と収縮を繰り返すため、釘が徐々に押しだされて「釘抜け」が発生します。
雨水や日当たりの影響を一番に受ける棟板金まわりで、サビや釘抜けは発生しやすいです。
サビや釘抜けを放置すると、板金と屋根材のすき間や、釘が抜け落ちた部分から雨水が侵入して雨漏りの原因となります。
コロニアル本体に雨水が侵入して劣化すると、コロニアルが層状に分離して剝がれてくることがあります。
これを放置していると、雨水がコロニアルを通過してしまう基材湿潤を起こします。
基材湿潤の状態まで劣化が進行すると強度は著しく低下し、最終的には基材全体が膨張し破壊され剥がれ落ちてくるのです。
基材破壊が起きた状態では、屋根の葺き替えが一番確実なメンテナンス方法となります。
コロニアルの劣化の放置は、さまざまな不具合を発生させる原因となるためおすすめできません。
劣化したコロニアルは、反りや剝がれ、基材湿潤を起こし雨漏りを発生させます。
コロニアルが劣化して雨水が浸み込みやすい建物は、常に湿気が過剰な状態になるためカビが発生しやすいです。
カビの繁殖によって、家全体がカビ臭くなります。
雨水の侵入は、建物を支える建材の劣化の原因にもなります。
侵入した雨水が木材を腐食させ、鉄骨やネジなどの金属部分を錆びつかせるからです。
コロニアルの劣化により発生する雨漏りやカビ、建材の劣化は、建物の耐久性を低下させ寿命を短くしてしまいます。
アスベストを含むコロニアルを撤去する場合、通常の費用に加えてアスベストの処理費用がかかります。
飛散した状態のアスベストを吸い込むと健康被害が発生します。
健康被害を起こさないように、防じんマスクや保護衣などの対策は必須です。
アスベスト飛散の危険性はコロニアルのアスベスト含有量、撤去を行う現場の立地条件や規模によって大きく変動します。
具体的な費用は、実際の現場を調査した業者から見積もりをとるのが一番確実です。
アスベストは製品に含めると強度を上げるため、多くの建築資材に使用されていました。
アスベストの使用規制は1975年には始まっていましたが、本格的な規制に動き始めたのは2004年です。
2004年以降、1%を超えてアスベストを含有する主な建材、摩擦材および接着剤の新たな製造、輸入などが禁止されました。
そして、2006年以降、0.1%を超えてアスベストを含有するすべてのモノの使用が禁止されたのです。
2004年以前の製品にはアスベストが含まれていて、現在も建造物の一部に残っている可能性が高いです。
飛散したアスベストを吸い込むと肺がんになるリスクを高めます。
中皮腫は平均35年前後を経過してから発症するなど、アスベストを吸い込んだことによる症状は長い年月を経てから発症します。
空中に飛散したアスベストを吸い込むようなことがない限り、まず健康被害はありません。
ただし飛散させないように工事を行うということが、工事費用のコストアップにつながっています。
2004年以前に建てられた物件は、アスベストを含んでいる可能性があります。
2004年以降は、アスベストを1%以上含む製品の出荷は禁止になったので、アスベスト含有の屋根材は流通することはなくなりました。
一般的に、建築してから時間が経っているわりに屋根の状態が良い場合は、アスベストを含んでいる可能性があります。
アスベストは、屋根材の強度を上げ、耐久性をアップさせるからです。
石綿(アスベスト)含有建材データベースでは、商品名から検索することでアスベストを含んでいるかどうか確認できます。
ただし図面と実際に使われている材料が異なったり、同一製品でもアスベストを含んでいるモノといないモノがあったりします。
あくまで参考程度としてチェックしてみましょう。
コロニアルは、日本の住宅の屋根材の中でも人気がある建材です。
特に、地震が多い日本だからこそ、軽量な屋根材は需要が高いのです。
耐震性が上がることは、これから長く住み続けていく住宅を守ることにもつながります。
ただし、割れやすいという特徴もあるので、葺き替える屋根材を検討する際にはデメリットもよく確認しましょう。
屋根修理業者を選ぶ場合は屋根の修理業者を選ぶ7つのポイント!失敗しない選び方を知ろうを読めば失敗を避けやすくなります。
ぜひチェックしてみてください。
なお「じもと屋根修理」ではドローンで屋根の点検ができます。直接屋根の状態を確認できるので興味がある方はぜひお問い合わせください。
内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。