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内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
25年以上、約10000件の現場経験で培った技術と知識をもとに、屋根・雨樋・板金・外壁工事に携わる。
建築家・隈研吾氏が関わるカフェ「和國商店」のプロデュース(グッドデザイン賞等受賞)、海外での活動なども行う。
また、全国の屋根屋50社以上と共にボランティア活動を行い、屋根の展示イベント「屋根展」を主宰している。

「屋根のカバー工法にコンパネは使われるの?」
「コンパネと構造用合板の違いは何だろう?」
屋根のカバー工法を行う際に、このような疑問を抱く人もいるでしょう。
屋根の下地部分となる野地板に用いられる素材は構造用合板が一般的です。
コンパネと構造用合板は似ているため混合しやすいですが、異なる資材です。
今回はコンパネやその他の合板について、以下の項目を解説しています。
・コンパネの必要性
・野地板に使われる合板の違い
・合板に使われる接着剤の種類
・カバー工法にコンパネを使うケース
・コンパネを使ったカバー工法の手順
・野地板の劣化の危険性
・カバー工法が行えないケース
上記の内容を読んでいただければ、コンパネや野地板について理解が深まるでしょう。
目次

屋根のカバー工法には基本的に「コンパネ」は使われません。
合板を使用するのは、屋根のなかで「野地板」と呼ばれる下地部分ですが、この部位にはコンパネではなく「構造用合板」を用いるのが一般的です。
合板と呼ばれる木の板には種類がいくつかあり、コンパネ・ベニヤ・構造用合板などが代表的な種類です。
構造用合板は建造物に使う強度の高い資材で、見た目はコンパネとよく似ています。
素人が見るとどれも同じような木の板で、あまり違いが分からないことも多いでしょう。
そのため、実際には構造用合板が使われているのに「自宅の屋根にはコンパネが使用されている」と、勘違いしているケースもあるかもしれません。
屋根のカバー工法では構造用合板を使用するのが主流ですが、コストカットのため安価なベニヤやコンパネを使う業者がまれにいます。
屋根のカバー工法を依頼する際は、資材についても事前に確認しておくと安心でしょう。

合板とは何枚かの薄いベニヤを貼り合わせたものの総称です。
つまり、1枚だとベニヤと呼び、重ねると合板と呼ばれます。
以下では3種類の特徴について解説します。
・コンパネ
・ベニヤ
・構造用合板
それぞれを詳しく見ていきましょう。
コンパネは「コンクリートパネル」の略で、コンクリートの型枠として主に使用されます。
DIYの素材としても人気があるため、ホームセンターで見かけたことがある人も多いでしょう。
型枠に使われるだけあって防水性が高いのがコンパネの特徴ですが、一方で製品自体の見た目に綺麗さはあまりありません。
構造用合板に比べて安価なため、消耗品として利用されるケースが多い資材です。
ベニヤは木をスライスした薄い板です。
加工がしやすいことからDIYによく利用される素材です。
ベニヤには、化粧板が貼られているものもあります。
通常のベニヤは壁や床の下地材として使用され、化粧板は内装材として壁や天井に使われることが多いです。
構造用合板は住宅の建築に幅広く使われている資材です。
コンパネやベニヤよりも強度があることから、屋根の下地や床、内装にも用いられます。
構造用合板はJAS規格が制定されていて、製品ごとに「接着の密度」や「含水率の基準」を可視化しています。
構造用合板は、表面にこれらを表すスタンプが押されているのが特徴です。

構造用合板を加工する際に使う接着剤によって、製品の耐水性が変わります。
構造用合板に使われる接着剤は主に2種類です。
・特類(フェノール樹脂接着剤)
・1類(メラミン樹脂接着剤)
それぞれの特徴を解説します。
フェノールとホルマリンが原料として使われている接着剤で、雨や湿気に強い点がメリットです。
また、特類は接着剤のなかで最も高い耐久性があります。
屋根は雨や湿気に晒される箇所のため、耐水性のある特類の接着剤が適しているでしょう。
メラミンとホルマリンが原料として使われており、特類の次に耐水性がある接着剤です。
湿潤状態になる環境で使用するのが目的とされています。
住宅のあらゆる重要な箇所に設置される構造用合板には、耐水性の高い特類または1類の接着剤が使用されています。

瓦棒屋根の場合、野地板を重ねてカバー工法を行うケースがあります。
通常のカバー工法とは違い、既存の屋根に構造用合板を増し張りする方法です。
屋根の上に合板を重ねると重量が心配、という方もいらっしゃいますが、この程度の重みで家屋に影響がでることはほとんどありません。
一般的なカバー工法で既存の屋根材の上に重ねるものは「防水シート」と「新しい屋根材」です。
しかし、瓦棒屋根は構造用合板の増し張りを行うことで、建物の強度を高くできます。
また屋根材をしっかり固定できるため、剥がれにくくなる効果も期待できます。

瓦棒屋根のカバー工法で、野地板を重ねる場合の工事手順を紹介します。
事前に工程を把握できれば、業者からの説明も理解しやすくなるでしょう。
基本的な作業手順は以下の通りです。
1.既存の瓦棒屋根の上に野地板を張る
2.唐草を取り付ける
3.ルーフィングシートを貼る
4.ケラバ板金を取り付ける
5.屋根材(縦葺き板金屋根)を張る
6.棟板金を取り付ける
それぞれを見ていきましょう。
まずは構造用合板を固定するための垂木を設置します。
設置した垂木の上に、屋根のサイズに合わせた野地板を張ります。
このとき用いる資材は、コンパネではなく構造用合板です。
野地板が張れたら、屋根の軒先に取り付ける唐草を設置します。
唐草は垂木に合わせて釘を打って固定していきます。
次に固定した野地板の上に防水のためのルーフィングを貼る作業です。
ルーフィングが隙間なく設置されていないと雨水が浸入するため注意が必要です。
ルーフィングはタッカーというホッチキスのようなもので固定をします。
ルーフィングが固定できれば、屋根の側面(ケラバ側)に位置するケラバ板金を設置します。
ケラバ板金の役目は、風の影響で屋根の側面に流れる雨水を軒先に流すことです。
唐草にひっかけて固定することで、外れにくくなります。
屋根材と共に「雪止め」も取り付けていくことが多いでしょう。
最後に、屋根の頂上部分となる棟板金の取り付けです。
棟板金を取り付ける前に、木の下地を設置します。
下地ができたら、棟板金を切ったり折ったりして形を整えてからかぶせます。
しっかり固定できれば施工完了です。

屋根を修理する業者は、以下の2つの方法で野地板の劣化状況を確認します。
・屋根を踏んだ感触で判断する
・専用の器具でチェックする
それぞれの確認方法を解説します。
野地板の劣化状況は、屋根を踏んだ感触で判断します。
屋根の上を歩いて、ぶよぶよした感じがあれば腐食している証拠です。
腐食している箇所は破損する危険が高いため、確認ができたらすぐに離れます。
簡単なチェック方法に思えますが、素人が屋根に登るのはとても危険です。
劣化状況の確認は専門業者に依頼しましょう。
野地板チェッカーと呼ばれる器具で劣化の確認ができます。
野地板チェッカーは、2箇所に穴があいているリボンのような形をした器具です。
器具の穴にビスを通して、屋根材と野地板を貫通させた後にビスを固定します。
もう片方の穴にバールを引っかけて手前に引っ張って強度を確かめます。
引っ張って器具が割れた場合は、野地板が固くてきちんと釘を固定できている証拠です。
器具を使う方法も屋根の上で行うため、専門業者に任せたほうが安全です。

野地板の劣化を放置すると雨漏りが発生し、蓄積された水分によって野地板が腐ってしまいます。
野地板が腐食すると家屋全体に大きなダメージを与えてしまうため、早めの対処が必要です。
野地板は屋根の構造を支える大切な下地部分であり、劣化を放置してはいけない箇所です。
劣化を早期発見するには、定期的な点検を専門業者に依頼するといいでしょう。

カバー工法を希望していても、野地板の劣化状況でできない場合もあります。
野地板が劣化している状態でカバー工法をしてしまうと、後から修理が必要になった際に、どこが不具合なのか特定しづらくなります。
そのため野地板が腐食している際は、葺き替えを行うのが得策です。
また、瓦屋根も構造上の問題でカバー工法は行えません。

カバー工法を行う前は屋根材だけではなく、下地にも着目して劣化状況を確認しましょう。
下地の劣化状況によっては、カバー工法を希望しても行えない場合があります。
野地板が劣化している状態でカバー工法を行っても、根本的な解決にならないため違う方法の検討が必要です。
屋根の修理方法を決める際には、必ず野地板のチェックを行ってからにしましょう。
チェックは屋根の上で行われるため、素人が行うと転落事故が起きる可能性があって危険です。
安全性を確保するためにも、専門業者に点検を依頼するのが望ましいでしょう。
屋根修理業者を選ぶ場合は屋根の修理業者を選ぶ7つのポイント!失敗しない選び方を知ろうを読めば失敗を避けやすくなります。
ぜひチェックしてみてください。
なお、じもと屋根修理では地元の一部地域を対象に、ドローンを活用した屋根点検を無料で実施しています。
お近くにお住まいの方でご興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。