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こんにちは!屋根の専門医、東京都東村山市のウチノ板金の職人社長の内野友和です。
台風・春一番・木枯らしなどの強風が吹いた後、
「屋根が飛んでしまったので直してもらいたい」
「屋根のてっぺんの部分が落ちてきた」
「屋根の上で風が吹くと物とがする」
「鉄板が家の前に落ちているが自分の家のものではないか」
「隣に家の屋根がペラペラめくれている」
このような相談や連絡を電話やメールやLINEで多くいただきます。
私の経験上、「屋根が飛んだ」というご相談=「棟板金が飛んだ」という事がほとんど(8割程度でしょうか)だと感じております。
ここでは実際に数々の工事を経験してきた私から、その理由と修理方法・よくある質問をご説明いたします。
今はホームセンターで簡単に材料を揃えることができる時代になっています。
ご自分で修理(DIY)をされる方も参考にしてみてください。(その際は十分安全に気を付けて作業をしてくださいね!)
目次
まず棟板金とは写真の屋根の面と面の境にある接続部材になります。
もう少し補足をすると、屋根の繋ぎ目を隠して雨から屋根を守る部分になります。
では、なぜこの棟板金が飛びやすいのか?(落ちやすいのか?はがれやすいのか?)
これについては大きく分けて2つの原因があります。
まず、この「棟」という部分は写真のように、中に木の下地が打ち付けてあり、それに折り曲げ加工をした金属板(トタン・ガルバリウム鋼板)を釘やビスで留めているのです。
(全ての屋根がそうではありません。あくまでも一般的な屋根の構造だと思ってください)
金属板を長い時間、安定した状態で保つのには木の下地は必須になります。
木は必ず劣化をします。一生モノではありません。
昔(30年前)の屋根の棟板金を固定している釘は鉄製の釘が打ってあることがほとんどです。
鉄の釘は次第にに錆(サビ)が発生してきます。そして錆びた釘は徐々に痩せてきて効果がなくなり、抜けてきてしまいます。
このような事が重なり、台風や強風の際に「屋根が飛んでしまった」ということが大半だと思います。
屋根のてっぺんは24時間365日、太陽に照らされ、雨の影響を受け、風に耐えていて、建物で1,2を争うほど負担がかかっている部分なのです。
では、屋根(棟板金)が飛んでしまった時の修理方法(手順)をご紹介します。
まず屋根の棟板金を撤去します。
棟板金は横から釘が打って留まっているので釘を工具(釘抜き・バールといもいいます)で抜くと簡単に棟板金を外すことができます。
次に古い木の下地が出てきますので、これも撤去をします。
この木は長い釘(最近主流はビスです)で打ってありますので、こちらも釘を抜いて、木を外します。
木を外した後はきれいに掃除をします。
掃除をしっかりしないとゴミが残ります。
埃程度であれば問題ないのですが、大きいゴミが残っていると次の工程に響きますのでキレイに掃除をします。
次に新しい木をビスで打ち直します。
これは厚みが1.5センチ程度、幅が9センチ程度の杉板が主流です。
最近は高品質な樹脂系(耐衝撃性ポリスチレンという素材です)もありますが、まだまだ木を使うことが多いのが現状です。
ご希望があれば、樹脂系の下地材を使用可能ですので、工事会社に相談をしてみてもよいかもしれません。
しっかり下地材を固定したら、それに折り加工がされてある金属板を覆いかぶせます。
この金属板ですが、ほとんどは「ガルバリウム鋼板」という鋼板を使用します。(以下、棟板金と呼びます)
ガルバリウム鋼板は耐候性が良く、とても品質の良い素材です。
昔の「トタン」よりも3~6倍くらい品質が良いと分析をされております。
素材の詳細を知りたい方はこちらのページよりもインターネットで詳しく分かりやすく記載がされているところが多々ありますので、調べてみてください。(笑)
この棟板金は下地の木の小口に向けて横から釘やビスで固定をして完成となります。
(応急処置などで上から釘やビスを打つことはありますが、正規な工法は横からの固定になります)
また画像のように板金材の繋ぎ目に関しては雨の浸入を防ぐためにコーキングを入れ止水をします。
注意をして欲しいのですが、棟板金を留める釘やビスは錆を防ぐためにステンレス製のものを必ず選定します。
(ここでまた鉄釘を使ってしまうと、工事する意味がありませんので、工事をする際は注意してください)
屋根が飛んでしまったという、お問い合わせの際によくある質問があります。
正直な話、この棟板金がなくなっても急に雨漏りがするわけではありません。
屋根は万が一このような事があった場合を想定して「防水シート」というものが貼り付けてあります。
防水シート=「アスファルトルーフィング」といって道路で使われるアスファルトを染み込ませたロール状のシートになります。
よく訪問販売業者は「棟板金がないので、すぐ直さないと雨漏りをしてしまいますよ!!」と不安を煽ってきますが、気にしないでください。
防水シートが破れる等のことがない限り、数カ月放置をしても大丈夫です。
応急処置として仮の棟板金やブルーシートでの対応をするのもよいと思います。
足場の設置に関しては、現場の環境、屋根の形状、勾配、大きさ、素材によって必要かそうでないかが変わってきます。
要は職人(作業員)が安全に作業ができて、お住いの方・隣家の方々が安心して工事をお願いをできる環境をつくることが重要なのです。
本当です。
各ご家庭でご加入をされている契約によって内容(保険金)は変わってきますのでご加入されている保険会社に問い合わせをしてみてください。
ただ、この損害保険を使って災害復旧工事をすることをメインの事業としている会社との取引は注意が必要です。
なぜ注意が必要なのか?
数々の理由があるのですが、一番の理由は保険金請求をするために手数料を搾取されるからです。
この損害保険の申請をメイン事業としている会社は保険請求だけを手伝い、請けた仕事(補修工事)は知り合い(提携という言葉を使ってきます)の仲間の職人にやらせ、自分たちはその差額を営業費としてピンハネすることで成り立っている会社なのです。
要はお客様の家を直すことよりも、自社の利益を最優先に考えている事が多いのです。
その会社が、担当者が実際に屋根の工事を直接することができるのか。業者を選ぶにあたっては、そこをしっかり聞いてから保険金請求・工事をお願いしてください。
屋根が飛んだ場合の修理方法をしっかり理解をした上で、工事会社に修理をお願いしてください。
大切なのは屋根が飛んだからといって、焦らず冷静に現状を把握することです。
先にも記しましたが、屋根が飛んだからといって、即雨漏りがすることがありませんので心配しないでください。
ご自身で修理をされる方は屋根の上は低い場所でも傾斜があり大変危険ですので、安全を第一に考えて作業をしてください。
また予防策として、外壁の塗装をする際に一緒に棟板金(もちろん木下地も)だけでも交換をすることをオススメします!
その時に請け負う工事会社さんに一言「棟板金もこの際に一緒に交換をしたい」と伝えてみてはいかがでしょうか。
足場がある内に工事ができるので、非常に効率よく安全・安価にできると思いますよ。
屋根に関して、ご相談やご質問があれば、サービスエリア外の方でもお気軽にお問い合わせください。
弊社は職人会社ですので、執拗な営業は絶対行いません。
地域の皆様が安心して暮らせるように切に願っております。
内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。